Q 納骨堂とは一体どのようなものでしょうか?お墓とは何が違うのでしょうか?
1 「納骨堂」と「墳墓」の違い
「納骨堂」というのは、墓埋法において「他人の委託を受けて焼骨を収蔵するために、納骨堂として都道府県知事の許可を受けた施設」をいうとされています(第2条6項)。
これに対し、お墓、いわゆる「墳墓」とは「死体を埋葬し、又は焼骨を埋蔵する施設」をいうとされています(同条4項)。
このように、納骨堂と墳墓(お墓)とは、お骨を「収蔵」するのか、「埋蔵」(埋める)するのかという点で違いがあります。
2 納骨堂の種類
一般的に、納骨堂というのはある程度のスペースを区切って檀信徒等に提供し、焼骨を保管して収蔵するための屋内施設です。
ひと言で焼骨を「収蔵」するといってもその保管方法は施設によって色々です。
例えば、棚に骨壺を並べて保管するタイプ、コインロッカーのような個別スペースの一区画に保管するタイプなどの他にも、最近では奥にしまわれている骨壺が機械パネルの操作によって礼拝場所まで運ばれてくる機械式タイプなどが登場するようになりました。
かつては省スペースで場所を取らないロッカー式タイプや棚式タイプなどが納骨堂のタイプとして多く取り入れられていましたが、最近は墓石タイプなどの装飾があるタイプや機械式タイプなども人気があるようです。
なお、納骨堂を経営するのは、墳墓(お墓)と同様で、寺院経営、公営、民営などのパターンがあります。
3 納骨堂が選ばれる理由
納骨堂は上述のとおり様々なタイプがありますが、その最大の特徴はやはり省スペースであることと、それゆえに一般的な墳墓(お墓)と比べてかかるコストが安いというところです。
墳墓(お墓)の場合は、墓石代や設置工事費など多額の費用がかかる場合がほとんどですが、納骨堂は省スペースに多くの焼骨を保管するため、その管理費は低額であること多く、また省スペースゆえ土地のない都市部の建設にもなじみやすい施設であり、檀信徒からすると都心にあって参拝に通いやすいというのも大きな魅力です。
4 本件ケースにおける対応
納骨堂も墳墓(お墓)もそれぞれ一長一短があるところですが、寺社の立地や檀信徒の利便性など、様々な要素を考慮したうえでどのような施設を建設するかを慎重に検討する必要があるところです。
納骨堂建設にかかる具体的なお悩みについては、弊所にて迅速かつ適切なアドバイスを申し上げることが可能ですので、いつでもお気軽にご相談ください。